コーヒーカンタータとは、J.S.バッハが1734年頃に作曲し、ツィンマーマン・コーヒー店というカフェで演奏された音楽劇のことです。当時バッハが住んでいたライプツィヒでは、コーヒーが大流行していました。
詳しい解説は抜きにして、あらすじからお話を楽しんでみてください。もちろんコーヒーを飲みながら、ね。
おしゃべりはやめて、お静かに
- 登場人物:コーヒーにうつつをぬかす娘リースヒェンと、その「女らしくない」所業をやめさせようとする父親シュレンドリアン。
- シュレンドリアン登場。「子どもを持つと面倒なことばっかりだ・・・」とぶつぶつぼやいてます。
- 父、威厳をかけてコーヒーをやめるよう娘に迫ります。
しかしリースヒェンはおとなしく従ったりしません。「それではひからびたヤギ肉みたいになっちゃう」と言って抵抗します!
- 娘リースヒェンによるコーヒー賛歌。いわく、「千の口づけよりなお甘く、マスカットワインよりもソフト♪」だそうです。
「コーヒーって何て素晴らしいの!コーヒー、コーヒーvv」
- 困った父は考えました。
「コーヒーをやめないなら他のあらゆる楽しみを禁じる、散歩に出さないしスカートも買ってやらない」と言って娘を脅迫します。
それでも負けない娘、リースヒェン。コーヒーさえ飲めるならどんなことでも我慢すると言ってききません。
- 父の威厳はいずこへ・・・。強情な娘にやられたシュレンドリアンは嘆きの歌を歌います。
- 歌っているうちに、父は名案を思いつきました。「コーヒーをやめなければ結婚させない」という切り札を出したのです。
さすがの娘もこれには折れ、父は「いい人を見つけてきてやる」と約束。
- 娘はすっかりうきうき気分。今日にもきっと見つけてきてね♪ と楽しく歌います(笑)
- だけど、父が出かけた後こっそりささやく娘。
「コーヒーを飲ませてくれる人でなければ家に入れないんだから♪」
- 「猫がねずみ捕りをやめないように、娘らはいつまでもコーヒー党。それがどうして責められようよ!」
娘、父、語りの三重唱で おしまい。
参考:東京書籍『バッハ事典』、音楽之友社『名曲解説ライブラリー』
|